アリペイは、振込手数料の有料化が2016年10月12日から実施されています。これにともない、タオバオの利用にも変化が出ています。
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アリペイ・手数料有料化で変わったこと
(1)アリペイアカウントのグレード
アリペイアカウントは、Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類とグレードが付きます。
Ⅰ類 中国国内の銀行と紐付け済のアカウント
1)条件
アリペイアカウントを簡易登録した場合にⅠ類グレートになります。このグレードの会員は、本人証明登録のない利用者として扱われます。1つ以上の中国国内銀行と紐付けが必須です。
2)説明
タオバオでの支払い累計額は、1,000元(約15,000円)まで利用可能となり、この範囲内での振替、現金化、支払いに利用できます。上限を超えた場合は、紐付けされている銀行から手数料を払いながら直接支払うことになります。継続してアリペイを使いたい場合は、Ⅱ類にアップグレードする必要があります。
3)制限を受ける項目
- タオバオ・アリババでのショッピング時の支払い
- 現金化・アカウント内の残高を自分の銀行口座に移動して現金に替える
- 振替・自身のアカウントまたは他人のアカウントに振り替えする
- クレジットカードの返済に使う決済
Ⅱ類 本人証明登録が済んだアカウント
1)条件
本人証明登録済みのアカウントです。身分証での登録済で中国国内の2以上の銀行と紐付けが完了しているアカウントになります。
2)説明
タオバオでの支払い累計額は、年間10万元 (約150万円)まで利用可能となりました。同年内での支払い限度額には、振替、支払いの利用も含みますが、現金化には制限が付きません。
3)制限を受ける項目
- タオバオ・アリババでのショッピング時の支払い
- 振替・他人のアカウントに振り替えする
- 返済・他人のクレジットの返済
4)制限を受けない項目
- 現金化・アカウント内の残高を現金化して自分の銀行口座に移動する
- 振替・自身のアカウントに振り替えする
- 返済・自分のクレジットの返済
Ⅲ類 公共料金の支払いに利用しているアカウント
1)条件
Ⅱ類アカウントを取得後、次の5つ以上のサービスを利用していることが条件となります。
- 公共サービスの支払い
電話料金、携帯電話料金、水道料金、電気料金、ガス料金、有線テレビ視聴料金 - 交通機関の券の購入
新幹線チケット、航空券 - 保険加入の支払い
- Zhima Creditを利用
上記に記載した振替、支払いサービス以外、投資などアリペイ金融サービスも限度内で利用できます。但し、現金化は制限を受けません。
2)説明
アリペイ・アカウントの年間の利用限度額は、20万元 (約300万円)です。現金化は制限を受けません。
3)制限を受ける項目 (下記はⅢ類であっても制限がある)
- タオバオ・アリババでのショッピング時の支払い
- 振替・他人のアカウントに振り替えはNG
- 返済・他人のクレジットの返済はNG
- 金融商品の購入・残高を余額宝に振り替える場合も制限付き
4)制限を受けない項目
- 現金化・アカウント内の残高を現金化 → 自分の銀行口座に移す
- 振替・自分のアカウントに振り替え
手数料について
アリペイアカウントは、20,000元まで手数料無料で振込みができます。手数料の無料限度額を超えた場合は、0.1%の振込手数料が発生します。
既に類似サービスを展開しているライバル会社のWeChat Pay(微信銭包)でも振込手数料が課金されていることから、アリペイ一社のみが無制限の手数料無料サービスを続けられない理由があるものと思われます。今回の手数料有料化にともなって、アカウントの実名認証も強く推奨されることとなりました。
アリペイ企業アカウントへの影響
企業アカウントは、今回(2016年10月12日)以降の限度額に関して影響はありません。このページでお伝えしているのは、アリペイ個人ユーザー向けの規則についての内容です。
手数料無料の上限を広げるには
アリポイントを使って上限の増額ができると説明がありますので、利用者が保有しているアリポイントを利用して支払い手数料無料の範囲を広げることが可能です。
アリポイントを増やすには、Ⅲ類にグレードアップすることが条件となります。つまり、アリペイで買い物、投資・資産運用、保険、電話代、ガス代、電気代、アリペイモバイル(アリペイウォレット)の振込やクレジットカードの支払いなどのサービスは今後も手数料の無料を継続し、同時にアリポイントを貯めることができます。
アリペイの説明によれば、アリポイントを利用して手数料無料で支払いできる上限を制限なく引き上げることが可能であるとしています。
アリペイ・アカウントの実名認証
アリペイの基本アカウントは、これまで簡単にできていましたが、実際の利用額に制限が加わったことになります。例えば、ショップを出店することができなくなりましたし、タオバオで利用できる支払い額も僅か1,000元(約15,000円)までと非常に限定的です。
Ⅱ類へのアップグレードは、グレード変更の条件として「実名認証」が必要です。アリペイから認証が下りると図のような画面で確認できます。
2016年10月以降の最新の画面
実名登録をしてアリポイントを貯めて限度額を上げることでこれまでどおり不便なく利用できます。
Q&A
アリペイのアカウントの利用が突然変わったことから、多くのご質問メールを頂戴しております。特にお客様からも心配の声があった問題について、当社の現時点での確認が取れた内容をいくつかご紹介いたします。
年間で利用できる限度額について
Q: 支払い手数料が発生するのは、特に問題視していませんが、年間の購入限度額が少な過ぎて心配です。
A: 銀行カードやネットバンキングなどからの直接決済には、購入額の上限が加わっていません。つまり、アリペイの上限金額がなくなった場合、引き続き銀行カードを利用しての支払いが可能です。もともと手数用が発生する支払い方法は、これまでと同じように支払いができます。あくまでもアリペイアカウントの使用に変更があったと理解すれば、理解が容易です。
アカウントを実名登録をしていない場合の制限
Q: 紐付けされていない銀行口座からアリペイへの送金は、いまも可能でしょうか?
A: これまでは、アカウント間で送金ができていました。2016年10月以降は、実名登録をしていないアカウント(Ⅰ類)では、他の人からの送金受け取りや現金振替を受け取ることが、完全にできなくなりました。